神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

独立行政法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)を団視察

3月8日、議会開催中であったが、その合間を縫って、独立行政法人・海洋研究開発機構(JAMSTECジャムステック、横須賀市夏島町2-15)に公明党神奈川県議団として視察を行った。
当機構が、地震・津波被害の軽減に向けて南海トラフの地殻構造探査を行っている旨、新聞が報じているのを知ったからだ。
何としても、防災という観点だけではなく、減災という視点から、問題となっている南海トラフの構造を勉強したいとの思いで、団員と共に午後12時45分に県庁を出て、現地へ向かった。

大変に多忙な中、時間を取っていただき、村田総務課長からJAMSTECの概要の説明があった。

その中で、一般にJAMSTECの存在はあまり知られていないが、実際には大変に大きな使命をもった機構で、以下のような活動を推進しているという。

  1. 海洋が大きく関わる地球環境変動を解明し、地球温暖化等の地球環境問題への貢献を図る
  2. 海洋由来の地震・津波等自然災害の原因となる地球内部の動的挙動を解明し、防災・減災への貢献を図る
  3. 海洋・極限環境生物圏を理解し、環境と生物の相互関係を解明するとともに、社会と経済の発展に資する知見、情報を提供
  4. 海洋の多様な環境下における調査・観測等のための基盤技術を開発するとともに、国民生活や産業の発展に貢献

考えてみれば、地球温暖化問題はどうなったのだろう?
あれだけ、国民あげての問題がいつしか、昨年の3月11日の東日本大震災以降ぱったりと論議されなくなっている。
その中も、JAMSTECは着々と解明に向けて研究を続けているという。
改めて議会中で日程が厳しい中、視察を行って良かったと胸をなでおろす。

総務課長の説明の後、岸壁に移動して海洋調査船「かいよう」(資料1)を見学、実際の地殻構造探査がどのように行われるのかを視察した。
その後、地震津波・防災研究プロジェクト システム運用・データ管理グループ リーダーで理学博士でもある高橋成実氏より、「東日本大震災から東南海地震・南海地震に向けて」と題して講演をいただき、その後、質疑を行った。
この中で、JAMSTECとして地震・津波プロジェクトを組織し、例えば紀伊半島沖に建設中の地震・津波観測監視システム(DONET)でリアルタイムで予測の高度化・迅速化を行っているとの話があり、実際に機器が震源域に設置される状況や海底プレートの状況を映像で見せていただいた。詳細については(資料2資料3)を参照。

視察を終えて感じたことは、大学の研究室をはじめ多くの地震研究が参観である。
しかし、JAMSTECをはじめとして、尊い研究を一本化しなければ何にもならないのではないか?と思った次第だ。
首都直下型地震をはじめとした大地震の恐怖をメディアが連日報道している。
減災の観点から国が多くのデータをまとめ上げ、それを生かしていくシステムを早急に立ち上げるべきであると叫びたい気持ちで、機構を後にした。