神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

8. ヘルスケア・ニューフロンティアにおけるわかりやすい指標の設定と、県の施策の位置付けについて

質問要旨

ヘルスケア・ニューフロンティアが目的とする「健康寿命の延伸」を、県民に分かりやすく翻訳してくれる、客観的な指標で補完することが重要である。
 客観性がある、因果関係を想定しやすい指標を設定したうえで、ヘルスケア・ニューフロンティアの各施策を改めて位置付ければ、県民にとってわかりやすい施策体系に再構築できるのではないかと考える。

 そこで、ヘルスケア・ニューフロンティアの「健康寿命の延伸」という目的を補完する客観的な指標を取り入れ、その指標に基づき、民間の取組も含めた全体像を示したうえで、施策体系の再構築など県民に分かりやすい施策展開を検討すべきと考えるが、所見を伺いたい。

知事答弁要旨

県ではこれまで、ヘルスケア・ニューフロンティアの取組や成果をできるだけわかりやすく県民の皆様にお示しできるよう取り組んできました。
 未病の改善には、健康を自分ごと化し、日々の生活の中で行動を変えていくことが不可欠です。そのためのツールとして、生活習慣、生活機能、認知機能、メンタルヘルスの4分野を統合した未病指標を構築し、活用を図っています。
 また、健康寿命については、主観的な要素が強いため、できる限り客観的に捉えられるよう、かながわグランドデザインでは、要介護認定者数や人口、死亡者数などから算定する「平均自立期間」を指標として設定したところです。
 一方で、県民の皆様にとって、より身近でさらにわかりやすい指標の設定も必要と考えます。
 例えば、生活習慣やフレイルなどの領域において、どのようなものが健康寿命を補完する指標として適切であるか、今後検討していきます。
 さらに、ヘルスケア・ニューフロンティアを着実に推進するためには、民間での技術開発が急速に進む中、健康寿命の延伸という共通の目的に向けて、企業・アカデミアの力を最大限取り込んでいく必要があります。
 そこで、健康寿命の延伸に向けて、よりわかりやすい指標の設定や、民間との連携による革新的な技術の実用化などを議論する場を設け、今後のヘルスケア・ニューフロンティア施策の展開に生かしてまいります。

要望

ヘルスケア・ニューフロンティアについては、知事に毎年一般質問で提案し続けた結果、実現したものも数多くあります。
 改めて取り組まなければならない問題は、あまりにフィールドが多すぎるということです。
 現場へ行くと、マイME-BYOカルテを含めヘルスケア・ニューフロンティアとは何かということが分からない方が多い。知事として大変な思いをもって、予算をつぎ込んで今日まで来たことは承知していますが、何を行っているのかが見えないため、今回切り込ませていただいた。
 知事から具体的に民間の方も入れた協議の場をという話がありましたが、例えばキングスカイフロントの中でヘルスケア・ニューフロンティアとして行っている事業についても、時間が経ってもなかなか結果が出てきません。
 テレビのドキュメンタリーで神戸大学大学院工学研究科の竹内教授が、涙で乳がんがわかるという事業をクラウドファンディングで1000万円集めるため奔走しているのを見ました。
 財政が厳しい中、ヘルスケア・ニューフロンティアについても民間と県でやることを分けるべきで、良い内容であれば、皆が付いてきて、それがある意味広告にもなります。ヘルスケアについては、協議の場の行方を見たいと思いますのでよろしくお願いしたい。

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