神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

「災害対策と危機管理」に思う

先日、かながわ学術交流財団(K-FACE)主催の第13回湘南国際村リブイン・セミナー(開催日7月20日、7月21日の両日)に参加した。
時間の都合で、20日のみの参加となったが、基調講演を行ったキャサリン・アン・ベルティーニ氏、そしてセッション2「緊急援助の取り組み-初動体制の確立と災害情報の共有」と題して実践報告をした沖縄米海軍中佐ジェイミー・ルバルカバ氏の視点が災害および危機管理と言う観点から学ぶところ大であった。それは、実際に世界の災害現場を数多く歩んだ経験からくるものなのかもしれないとさえ思ったほどだ。
県会議員となり、安全・安心の街づくりに全力を挙げていくうちに直面した事実は、本当にこの計画、この現場、この人数で災害に直面した避難民を救うことができるかと言う現実だ。例えば、広域避難場所だ。その避難場所がもし、海岸近くの埋め立て地のため液状化現象が起こり、その用をなさなかったら?その避難現場の途中で橋が崩落したら?
帰宅難民の安全と言うが、本当にトイレ、飲料水の確保は大丈夫なのか?(行政はコンビニとの連携などと悠長なことを言っているが)実際にはアメ横の混雑状態の人間の波が長々と国道を歩くさまを考えればおおよそ現在の計画が非現実的なように思われる。

そんな中、二人の報告者からは

  1. 災害と言うカテゴリーが徐々に変わってきて、広範囲なものになっている。と同時にその影響は一国にとどまらず、世界に広がる。その例として、鳥インフルエンザや津波と言う、今まで人類があまりまた、全く警官がない災害が近年起こっている現実。
    私の災害と言う見方も大地震や大雨と言う考えが主であり、災害と言う言葉が多くの現象を含んでいるだということを、勉強させられた。ちなみに辞書を引いてみると災害については「地震・台風・洪水・津波・噴火・旱魃(かんばつ)・大火災・感染症の流行などによって引き起こされる不時のわざわい。また、それによる被害。」また、危機管理については「大地震などの自然災害や、不測の事態に迅速・的確に対処できるように、事前に準備しておく諸政策。」とある。
    おりしも7月21日のある6大紙朝刊トップには「鳥インフルエンザ、インドネシア死者42人」との見出しでサブには「対策遅れ、世界最多に並ぶ」との見出しが躍った。その記事によればインドネシアの首都ジャカルタ郊外に住む44歳の男性が死亡しH5N1型ウィルスが確認されたとの事。この感染を封じ込めるためには、養鶏場などの鶏を大量処分して感染源を断つことが重要だが、貧困や国の保障が十分でない事で徹底した対策が講じられていない。しかも約2億3000万が一万数千の島に散らばって住んでおり、感染防止教育を普及させるのは難しいと保健当局者は言っているとのことである。
    今、世界で鳥インフルエンザで確認された死者は133人で感染した場合の致死率は58%に持たするそうである。感染者を出した国もトルコ、エジプト、タイ、インドネシア、ベトナム、中国、カンボジア、アゼルバイジャン、ジブチ等々である。すなわち、一国でなく、世界規模での災害がこの鳥インフルエンザである。WHOもウィルスが変異して大流行の引き金になる危険性も十分あるとしている。このいままで世界が直面したことない災害に対する危機管理はどうするのかと問いである。
  2. 責任と権限の問題。地域限定型の災害ならば、その市町村の責任者がその責務を全うすればよい。しかし、県をまたぐ、市をまたぐ、町をまたぐ災害について誰が災害に対する危機管理上の権限があり、責任がるのかを明示することが難しいとの指摘があった。東海地震のような広範囲の地震の場合、国そして関係県の責任、権限等はどうなるのか?

以上、セミナーに参加し二つの観点から今後の、県災害計画や国民保護計画を見ていきたいと思った。
政治家として、あらゆる分野での勉強が今後要求されることをここをに秘めて葉山町を後にした。

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