神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

5. AIの活用など児童相談所の更なる体制強化について

質問要旨

令和3年4月に新設された大和綾瀬地域児童相談所は、中央児童相談所と同一の建物内に設置されており、家庭や学校などへの訪問に時間を要す状況であることから、本来設置すべき所管区域内に一刻も早く移転すべきである。また、児童相談所は、急激な人員増により経験の浅い職員が増えているが、虐待相談は、子どもの命に直結する重篤なものも含まれるため、迅速かつ的確な判断と対応が求められる。
 三重県では令和2年度から虐待対応のためにAIやタブレット端末を導入しており、AIなどICTの積極的な活用は、より適切で効率的な虐待対応の強化だけでなく、職員の負担軽減にも効果的である。

 そこで、児童相談所の更なる体制強化として、早期に大和綾瀬地域児童相談所の所管区域内への移転が必要と考えるが、所見を伺いたい。
 また、児童相談所においてもAIなどICTの活用を積極的に進めていくべきと考えるが、所見を伺いたい。

知事答弁要旨

まず、大和綾瀬地域児童相談所の移転についてです。
 近年、児童虐待相談件数が急増し、複雑困難化する中、児童福祉司の増員により体制強化を図ってきた結果、中央児童相談所と厚木児童相談所の職員は100人以上となり、組織の大規模化が課題となっていました。虐待案件に迅速かつ的確に対応するためには、組織の適正規模化が必要と考え、令和3年度に所管区域を再編し、藤沢市内にある中央児童相談所と同じ建物の中に、大和綾瀬地域児童相談所を緊急避難的に設置しました。この再編で、各児童相談所の職員数や相談件数は平準化が図られ、きめ細かく対応できるなど、効果をあげています。
 しかしながら、速やかに子どもの安全を確認し、一時保護を行わなければならない場合など、虐待対応の機動性向上のためには、早期に大和綾瀬地域児童相談所を所管区域内に移転させることが必要と考えています。
 そこで県では、立地、コスト面のメリットなどを判断基準として、早期に所管区域内へ移転できるよう、検討を進めてまいります。
 次に、児童相談所におけるAIなどICTの活用についてです。
 増大する虐待相談に、より的確に対応し、職員の負担も軽減させるためには、児童相談所におけるAIなどICTの活用は大変重要です。
 そこで、県では、蓄積された支援データをAIで分析・活用するDXの取組を、一層加速化させるため、児童相談所の職員や本庁職員を構成員とした、仮称「児童相談所DX推進チーム」を新たに立ち上げ、検討を進めていきます。
 また、緊張感の高い虐待対応現場に、モバイルパソコンを持ち込み、児童相談所とリアルタイムに情報共有して、迅速に判断を行うなど、ICTを活用した虐待対応に着手します。
 児童相談所の迅速かつ的確な対応や職員の負担軽減に向けて、組織の体制強化やAI・ICTによる業務改善を図り、子ども一人ひとりのいのちを守ってまいります。

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