神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

2. 未病指標の「認知症」「うつ」への活用について

質問要旨

昨年11月のME-BYOサミットで、未病指標のモデルが示された。今後は、この未病指標を活用して、県民が実際に未病改善に取り組むことはもちろん、集められたビッグデータを活用して、効果的な行政の施策につなげていくことが必要で、その際には、県民にとって最も深刻な課題となる「認知症」や「うつ」の対策を進めていくことが、重要なポイントの一つになる。
 そのためには、例えばビオトピアや未病センターに、「認知症」や「うつ」のリテラシー向上のためのコーナーを設けるなどの工夫や、市町村とも連携して未病指標の測定データを分析し、今後の認知症、うつ対策に生かすことも検討すべきである。

 そこで、未病指標をより多くの県民に利用していただき、「認知症」や「うつ」を改善する行動につなげるため、県は今後、データの活用も含めてどのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

知事答弁要旨

本県では、全国屈指のスピードで高齢化が進む中、近年増加が見込まれる認知症やうつの未病改善を促進することが、喫緊の課題になっています。
 そのためには、認知機能や心の状態を見える化することにより、県民の皆様に、認知機能などの改善に向けた行動を起こしていただくことが有効です。
 現在、県が実用化を目指している未病指標は、「認知機能」や「メンタルヘルス・ストレス」など4つの領域について、スマートフォンで簡便にチェックし、個人の未病の状態を数値で見える化するものです。
 具体的には、「認知機能」は、単語の記憶テストなどにより、また、「メンタルヘルス・ストレス」は、声で心の状態を把握する「ミモシス」という技術によって測定します。
 この未病指標については、現在約125万人の登録があるマイME-BYOカルテのスマホアプリに搭載し、多くの県民の皆様に活用していただきたいと考えています。
 そこで、市町村とも連携しながら、未病センターなども活用して周知を図るとともに、未病バレー「ビオトピア」で実際に体験できる環境整備を検討します。また、未病産業研究会の会員企業などに対して、商品サービスの効果測定などへの未病指標の活用を呼び掛けていきます。
 さらに、未病指標の導入を機に、ビオトピアの体験施設「me-byoエクスプラザ」において、メンタルヘルスに関するコーナーを充実したいと考えています。
 蓄積された未病指標のデータについては、個人情報の取扱いに配慮しながら、ビッグデータとして、例えば認知機能など健康課題の分析や解決に活用していくことも検討していきます。
 これらの取組を通じて、多くの県民の皆様に未病指標を活用していただき、認知症やうつの未病改善を促進することで、誰もがその人らしく笑って生き生きとくらし、健康で長生きできる神奈川を実現します。

要望

知事の議事録を見ましたら平成29年の9月の一般質問で、私が知事に、この未病についてのしっかりとした目に見える実績を出して欲しいということをお願いしまして、知事からは答弁として未病状態と将来のリスクをしっかり未病指標に取り組んでいくものを作りますよというお約束していただいて、約2年数か月ですかね、できあがるということで、まずはヘルスケアの職員の方々ひっくるめて、形にしていただいたことについて本当に私から感謝申し上げたいという風に思っております。
 ただ知事、ここからです。ここから正念場と申しましたのは、来年度の13億2千数百万円の予算を拝見しましてもですね、そろそろ未病ということについてもきちんとした基軸に基づいてやったほうがいいんじゃないのか、それは何なのかというと、先ほどの知事の答弁の中にありましたビッグデータ、これからME-BYOカルテに乗ってくるわけですから。公が持っていて、民間が持っていないもの、それはデータですよね。これは本当に貴重なものを県が持っているのであれば、今本当にAI、ビッグデータというものに対して基軸として発信できるわけですから、ここにしっかりとした、ある意味でお金をかけても、しっかりとしたものを数年間、基軸をしっかりとした形で進めていただきたい。

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