神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

10月14日、平成23年第3回定例会本会議で太陽光発電の設置促進のためのマンションに太陽光パネルを普及させるための補助事業や中小企業への融資制度など総額150億円余の補正予算案と水源環境保全税を5年間延長する条例案など計26議案を可決・承認した。

採決の前に各会派が討論を行い、我が党からは渡邊均県議(藤沢市選出)が登壇し、黒岩知事の選挙公約と新エネルギー構想との整合性について、討論を行った。(討論の内容は、別紙参照

各党からも選挙時に知事が「4年間で200万戸分の太陽光パネルを設置」と訴えた公約と新エネルギー後送との違いについて、厳しい論調が続いた。知事の公約とその後の変更について、新聞が時系列でまとめてあるので参考にしたい。

(朝日新聞抜粋)
  • 4月25日 就任会見
    4年間で200万戸という大きな目標に向かって全力投球していきたい
  • 5月17日 定例会見
    私が責任も持って、損はさせませんから早く(ソーラーパネルを)つけてくださいということを申し上げたい
  • 5月19日 県議会の所信表明
    たとえ無謀にみえる目標であったとしても私は目指します。高い峰を目指してこそ、時代は変わる。私はそう確信している
  • 7月15日 定例会見
    4年で200万戸分は、急きょ立候補することになって1週間ちょっとでまとめた政策。精緻な議論を積み重ねてやってきたというわけではない。あくまで民間人としての一つのアイデアにすぎなかった
  • 9月28日 定例会見
    自己負担なしでつく。早くつけて、と言いたかったためにそういう言い方をしたが、厳密に違うと言われれば、訂正させていただきたい
  • 10月7日 県議会予算委員会の答弁
    シンプルなメッセージにするために太陽光発電200万戸分と言いましたが、太陽において風は生まれ、雨は降る。風力発電も水力発電も全部含めた意味で言っていた

良くまとまっていたので記事を直接引用させていただいたが、やはり、これを見る限り、公約の修正について知事はしっかりと県民を説得させる場をもたなければならないのではないかと思う。この点、我が会派の討論でも訴えたが、県議会の常任委員会主義により本格的な知事との論戦が本会議の場となる。しかし、論戦の元となる「かながわエネルギー構想」も結局のところ常任委員会でお目見え。知事の言う、200万戸をバージョンアップした構想自体が、直接知事との論戦を経ないまま常任委員会に付託されるという状況だった。

新聞各紙がオール与党という言葉で、議会側の知事への追及の甘さを皮肉っているような論調が続いていた。しかし、数社の記者のインタビューでも述べたが、再生エネルギー問題そのものが、太陽光パネルをつければ済む問題ではない。送電線を通じた電力の見える化を含めたスマートグリッドとの整合性も問われなければならない。そういう意味では、議会として幅広な議論の素地ができたと思う。しかし、県民の理解は別である。幸い知事が県民との直接対話に乗りだすようなので、状況を見た上で今後の論戦に挑みたい。尚、新エネルギー構想を添付したので参照願いたい。

一方、常任委員会報告だが、総務政策常任委員会では初日に

  1. 湘南国際協会村協会の平成23年事業概要報告書について
    県として10億円の出資をしているが、事業計画に設立目的である「緑陰滞在型の国際交流拠点「国際湘南村」の中核施設である湘南国際村センターの運営を行うとともに、村全体の管理、運営等を行うことを目的として設立」とあるが、事業計画を見る限り、国際交流拠点としての施策が見えない。このようなことでは、収益を上げることは難しいのではないか?等々
  2. 分庁舎の建て替えについて
    危険とされる分庁舎の建て替えをどうするのか?県庁という中枢機能を要する建物の倒壊は防がなければならない?等々
  3. 総合計画の実施骨子について
    実施骨子案の中に「地域や家庭の在り方の変化など将来の方向性に、大きな変化が見られない」とあるが、少子高齢化社会から、特に高齢世帯の単身化、若年母子家庭の貧困等々、大きく社会が変わっているのに、大きな変化が見られないと断じていいのか?等々
  4. 知事公舎の活用について
    知事公舎建設予定地を今後どうするのか?等々
  5. 京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区の申請について
    特に知的財産権についてどう取り組むのか?等々

    の質問を行った。さらに第2回目の質疑は

  6. 市町村の広域連携に向けた県の取り組みについて
    県内の12町村が来年度中に納税管理などに使う住民情報システムを統合するが、住民基本台帳を中心としたシステム、県のシステムそして自治体が共同で運行しているクラウドがあるが、このように単独のシステムを市町村に導入していくと、いくつものシステムが県内に存在する事態となり、本来統合していくべく方向性を失うのではないか?等々