神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

質問要旨

知事とのやり取りの中で私も、今、マニフェストについて私が思っていることを語らせていただいたわけでございますが、2点ほど、知事のほうに再質問させていただきたいと思います。
第1点でございますが、今の知事の論理でいかれますと、私はこのマニフェスト選挙とかマニフェストというもの、大半の方ってやっぱりお読みになった方はいらっしゃらないと思うのですよね。その意味ではですね、図書館にはないのですよ。そういうことではありませんか。基本的にはね。それは、ひょっとして知事がこれから3期目を目指されるときは、またちょっと論点が違うかもしれませんが、全員が、神奈川県全員がマニフェストというものを読むという前提で、そういう、例えばお話があるのか。知事が先ほどおっしゃった当然私もマニフェスト拝見させていただいて、インターネットやまたマニフェストの県民討論フォーラムというのをやられて作られたというのは存じております。ですけど、この論理の中での一番中核となるものは、読んでない方はいっぱいいらっしゃる。それでもどんどんそれがいくという観点を私はすごく心配しております。これに対して所感をお願いできれば思います。
もう1点でございますが、今のお話の中で知事からもご答弁いただきました、インベスト、先ほどの自民党さんのご質問の中でも、私の答弁と自民党さんの答弁の中で、インベストの後、例えばロボットやまた航空宇宙学等々もひっくるめた対応をされるというお話ですが、私はイギリスのマニフェストの中に「国づくりのストーリー」という意味が、ある意味でマニフェストの中にあるんですね。要するに現状とかまたは分析をして、そして、その後にどういうものを作っていくのかという論議があると。私は今までいろんな論点を通じてみて、神奈川県の中にミクロの政策というのの打ち合いはある。例えば「たばこ」なんかについても、ミクロのことはあっても今お話いただいたいような大きな形でのマクロの政策をどうするのかという打ち合いがないんで、私は聞いたつもりなんです。そういうものが、これから、これだけの、ある意味で大変厳しい経済情勢の中にあるならば、財政状況であるならば、これから未来に向かってどういう、例えばマクロの政策をおとりになろうと思ってらっしゃるのか。この2点、お願い申し上げます。

松沢知事答弁

マニフェスト、これ言い方変えれば公約ですが、それをすべての県民が読んでいないから、それを強行してやるのはおかしいんじゃないかというご指摘だと思いますが、それを言ったら公約はなにも進められなくなります。私のマニフェストはかなり多くの県民の皆さんに読んでいただいて、ご感想もいただいておりますし、そしてまた、非常に先駆的な政策も含んでおりましたので、多くの皆さんからぜひとも進めてほしいという後押しもいただいて、それを実行させていただいているということで、やはり、県民の皆さんに信任をいただいたマニフェストですから、しっかりと進めていくのは当然だというふうに思います。
それから、2点目でありますが、ミクロばっかりでマクロの大きなビジョンみたいなものがないというご指摘でしたが、ぜひともですね、私のマニフェスト「神奈川力全開宣言」の1、2ページ、読んでいただきたいと思います。そこにはですね、基本理念がちゃんと書かれておりまして、「神奈川力」は「先進力」と「協働力」にあるとした上で、「先進力」によって「時代を切り拓く先進の神奈川」を、「協働力」によって「様々な主体が力をあわせて地域を支える協働型社会・神奈川」をめざし、神奈川県を「日本一住みやすく、活力ある神奈川を創造」するという理念、ビジョンを県民の皆さんに明確にお示しした上で、それを実現するための4年間の様々なプログラムをマニフェストとして掲げてるんですね。ですから、私は、理念、ビジョンをしっかりと示して、それに基づいてやっているつもりです。
また、このマニフェストを土台としてですね、「神奈川力構想・基本構想」を策定して、概ね20年後の神奈川の望ましい将来像と政策の基本方向も示したところであります。
この「神奈川力構想・基本構想」については、策定基本方針をはじめ、策定の各段階で議会の皆さんにもちゃんとお示しをし、神奈川のあるべき姿についてご議論をしていただいいて、それを認めていただいたわけでありますので、ぜひとも、その辺ご理解をよろしくお願いをいたします。
私のマニフェストについて、いろんな問題がある、そういう議論は大いに結構です。私も甘んじて受けますが、ただ、議員もお話に出していた北川正恭さん、マニフェストの先駆者とされています。この北川さんを中心にですね、「マニフェストグランプリ大賞」というのがありまして、その首長部門の最優秀賞、私いただいております。これはですね、北川さんを中心に、政治研究者、NPO、メディアの皆さんが審査委員会を作って、日本中の首長のマニフェストを比べて、そのマニフェストの内容、そして実行も含めて厳しい審査をして、大賞もいただいておりますので、そういうところもぜひともみていただきたいなというふうに思います。

意見

大変に、半分分からないご答弁いただいてありがとうございます。私は、政策についてお願いをしたわけでございまして、理念等々は私も読まさせていただきました。私は、この中で、知事にぜひともまたお考えいただければと思ったのは、先ほどから申しておりますマクロという観点での政策というものの中で、もう一度、前とは違ってるんです。100年に一度と言われているこういう中で、危機的な状況下の中でどういう政策をマクロで捉えて、そして、ミクロへつなげていくというこの道筋をつくるのが、先ほど言っているように、イギリスではそのストーリーとなっているんだと。国づくりのストーリーとなっているんだいうことを訴えたかったわけでございます。ぜひとも、その観点から、もう一度またお考えをいただき、また、議会での論議に入らさせていただきたいと思います。
最後でございますが、先ほどから、マニフェストのお話、ちょうど3人の本日の登壇者が出ておりますが、ぜひとも、昨日、日経新聞の中に出てる、イギリスのエコノミスト誌の前の編集長のビル・エモット氏も、イギリスではこんなにマニフェスト、マニフェストってこだわりませんよってこと、こうやって書いてありましてですね、ずいぶんお話と違うなというような思いがいたしました。イギリスのマニフェストなのか、それとも日本のマニフェストなのか、はっきりこれからつけるべき時代なんじゃないか。これ、日本のマニフェストという形にするのか、マニフェスト、マニフェストという言葉だけが素通りする時代を大変憂れいているわけございます。  以後また常任委員会等々でまた質疑をさせていただきます。

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