神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

質問要旨

平成21年8月に県が実施した「中小企業者の資金調達に関する緊急調査」では、県内中小企業者からの強い要望として、「金利の軽減」とともに「保証料負担の軽減」があげられている。神奈川県信用保証協会は、17年度以降、県の制度融資実績が急増し保証料収入が増加したことなどにより、19年度までの3か年で、62億円余の利益をあげているが、信用保証協会は、「信用保証協会法」という法律に基づいて設立された特殊法人であり、県や市町村などが基本財産の造成にたずさわり、極めて公益性の強い法人である。
そこで、制度融資の2,600億円といった計画額を達成するためにも、また、厳しい経営状況に置かれている県内中小企業者からの要望に応えるためにも、中小企業制度融資について、神奈川県信用保証協会と協調した本県独自の取組みが必要と考えるが、所見を伺いたい。

松沢知事答弁

厳しい経済環境にある中小企業に対しましては、国の「緊急保証制度」を活用した「緊急経済対策融資」に取り組み、経済状況の変化に応じて、年度の途中においても県保証協会などと協調して、機動的に融資制度の改善を行っております。
具体的には、融資利率を本年4月に0.4%、10月には0.2%引き下げ、融資期間10年で年率1.8%以内とするとともに、この間、融資期間を最大8年から10年に延長いたしました。また、本日から「緊急経済対策融資」の対象業種を781から793業種に拡大し、ほとんどの中小企業を融資対象としたところであります。 
一方、国では、中小企業の資金繰り支援として「緊急保証制度の1年延長」や「緊急保証枠の拡大」などを盛り込んだ追加経済対策が検討されております。
今後の取組でありますが、年末に向けては、中小企業の資金繰りが、特に厳しくなることから、先般私が金融機関団体のトップに直接お会いし、円滑な資金供給について緊急要請を行ったところであります。
さらに、年末対策として、中小企業にとって身近な税理士などを通じた制度融資の一層の周知や、保証協会など関係団体と連携した相談体制の確保により、金融の円滑化に引き続き万全を期してまいります。
長引く不況に加え、デフレや急激な円高の進行など、新たな不安要因を抱える中、中小企業の経営環境は一段と厳しく、先行きは依然として不透明となっております。
こうしたことから、本県としては、今後とも中小企業のニーズの把握に努めるとともに、国の施策を踏まえて、保証協会と協調し、「緊急経済対策融資」や売上げ減少に対応した「経営安定資金」の融資条件の改善など、時機を逸することなく、しっかりと対応をしてまいります。

質問要旨

県内中小建設業の倒産状況は、今年の1月から9月までの合計で198件、前年同期比では149パーセントとなり、まさに危機的な状況となっている。県内の中小建設業者が次々と倒産してしまっては、県が重点施策として推進している「安全、安心な県土づくり」に支障が生ずることは明らかである。
入札制度「かながわ方式」における最低制限価格率の引上げや、上半期発注率80パーセントの達成など、県内中小建設業への経済対策を実施してきたことは承知しているが、まさに今、年の瀬が越えられるか越えられないかの瀬戸際の企業もある。
そこで、この年末を迎えるにあたっては、引き続き、厳しい経営状況におかれている県内中小建設業者への支援が必要と考えるが、所見を伺いたい。

松沢知事答弁

県では、今年度当初から、県内中小建設業者の早期受注や受注機会の確保を図るため、前倒し発注及び分離分割発注の促進に努めてまいりました。
この前倒し発注によって、年内に完成する工事が増えることなどにより、県土整備部では、11月から12月までの支払いが、昨年度と比較して、約30件、5億円増加する見込みであり、中小建設業者の資金需要が高まる年末に支払われることから、前倒し発注の効果が現れております。
下半期におきましても、引き続き、できるかぎり早期の発注に努めており、12月末までの発注率は、95パーセントを超える見通しとなっております。
また、10月8日の台風18号による災害の復旧工事につきましても、できるだけ細分化するなどの工夫を行っているところであり、10月以降、既に発注した分も含め、年内に、約110件を新たに発注することとしております。
今後とも、依然として厳しい経営状況にある、県内中小建設業者を支援するため、景気動向やニーズを把握した上で、必要な対策を検討してまいります。

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