質問要旨
マニフェスト選挙のモデルである英国では、総選挙の2、3年前から、政策構想を練り、政策案を発表し、議論を行い、党大会を経てマニフェストに盛り込んでいる。北川前三重県知事も、「マニフェストというのは脳から汗が出るほど考え、その過程もすべて公開して初めて国民の信託を得ることができる。民主党にはそれが足りない」と述べられている。世論調査を見ても、国民がそのすべての実現を望んでいるというわけではない。だからこそ、マニフェストの実行にあたっては、国民や当事者の声や意見を聞く必要がある。
県政も同様である。知事のマニフェストにはローカルルールイレブンなど、「生活の匂いがしない、きれいな、目立つもの」ばかりが並べられているが、生活者の目線からは全く離れている。マニフェストの実行にあたっては、県民の意見をよく聞き、その時点での状況の変化を捉え、県民からみた施策のプライオリティを見極める必要がある。
雇用・経済情勢がマニフェストを作成した時点とは大きく変わっている中で、今一度、マニフェストを作り直すとしたら、政治家として、目線をどこに置き、一番に対応すべき課題は何と考えられるのか、所見を伺いたい。
松沢知事答弁
マニフェストは、県民との約束の基盤となるものであり、その作成にあたっては、県民の皆さんから幅広くご意見を伺い、議論を重ねていくことが大変重要であります。
私は二期目のマニフェストの作成にあたり、一期目の4年間の取組みの中で県民の皆さんからいただいたご意見・ご提案を参考にするとともに、改めてインターネットを通じた意見募集を行いました。また、「マニフェスト県民討論フォーラム」を開催し、県民の皆さんから直接、生の声をいただく機会も設けました。
私のマニフェストは、こうした多くのご意見やご提案を、マニフェストの作成作業の中で十分に検討し、可能な限り反映したものであり、県民の皆さんから見た施策のプライオリティを十分見極めて作成したものであります。
そのマニフェストを掲げ、選挙で200万人のご支持をいただいたものであり、県民の皆さんから大きな信任を得たマニフェストだと考えております。
もちろん、県政を取り巻く社会環境は日々変化を続けており、マニフェストの作成後に新たに対応が必要となる課題も出てまいります。
このため、政策を具体化するにあたっても、議会をはじめ県民の皆さんから幅広く意見を伺い、社会環境の変化に対応して、より実効性の高い取組みが可能となるよう、心を砕いてまいりました。
そして、常日頃ら現地現場に赴き、県民の皆さんから直接お話を伺い、県民の目線に立った課題の把握に努めることで、新たな社会環境の変化にも機敏に対応を図っているところであります。
県政が対応すべき重要課題には、現在の厳しい経済情勢の中で、県民のくらしや雇用を守る緊急の取組がある一方で、地球温暖化対策など着実に取組みを始めなければならない課題も数多くございます。
マニフェストは、任期4年間の約束であり、作り直すということはありませんが、こうした県政の重要課題への取組みをバランスよく進めながら県政の舵取りを行うことで、県民の皆さんからの負託に全力で応えてまいりたいと考えております。
質問要旨
中期財政見通しでは、今後5年間で、1兆円を超える財源不足が見込まれるとのことである。当座をしのいでも、子どもや孫の世代に莫大な借金が残り、このままでは神奈川に暮らすことに何の希望も抱けなくなってしまいかねない。弱者のためのセーフティネットの充実こそが、「税金」で施策を実行する公共団体としての責務であるが、その財源としての収入を増やすための増収策が、いまこそ必要である。
増収を図るためには、人を雇う「企業」を維持し、増やしていかなければならない。全庁的な視点で「産業を誘致し、雇用を増大する」ことを検討し、神奈川の未来のビジョンを示していただきたい。
そこで、自治体トップとして、県民が希望の持てる将来のビジョンを示すために必要不可欠な産業振興をどのように図っていくつもりか、所見を伺いたい。