神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

県議会9月定例会は10月7日、総額287億1900万円の補正予算案や県観光振興条例、旧県立神田高校の不適正入試に関する元受験生10人との和解案など計44議案を議決、また元ニュースキャスターで千葉商科大学教授の宮崎緑氏を教育委員として再任する人事案を可決し、9月14日から24日間の会期を終え閉幕した。

やはり今期の定例会は雇用対策を柱にした257億円余の一般会計補正予算案の議決がメイン。8月30日の衆議院選挙での政権交代、そして今回の補正予算の中で国の補正予算に対し6基金に積み立てる201億余の執行停止の可能性をも含む予算であるが故に、関係の常任委員会でも論議を呼んだ。

一方、議会運営委員会の副委員長として後押しを続けきた「神奈川県議会定例会条例」の一部改正が可決した。この改正案は現在年4回だった定例会を2010年1月1日から年3回にするものです。1回の会期を長くし、審議の充実、特に常任委員会を所属外の議員が傍聴できるよう、同日開催をやめ、複数日にすることや請願や陳情など県民の意見を聞く機会を増やすことを目指したものです。また、本会議の散会時間を午後5時を超えない事を原則として、年4回の会期を3回にすることで、代表質問・一般質問や議決機会が少なくならないよう計画します。

所属の環境農政常任委員会は、以下の項目について活発な論議が行なわれた。

また、6月定例会から続く「神奈川県地球温暖化対策推進条例」については横浜市、川崎市との整合性をどうとって行くのか? 中小企業のCO2排出に対する対策は? 等々、まだ計画案作成の入り口だというのに活発な意見が目立った。

遺伝子組み換え作物の栽培規制を求める「神奈川遺伝子組み換え作物交雑等防止条例(仮称)の骨子案」については実際に遺伝子組み換えの飼料を食べている家畜から出た糞から、交雑の問題は起こらないのか等々、現場を知る委員から辛口の質問が相次いだ。

一方、発言ができる安全安心推進特別委員会では、今回のテーマが「治安対策」ということで警察関係の質疑をおこなった。

● スケアードストレート教育について

スケアードストレート方式とは直訳すれば、「恐怖を直視する」。安全意識を高めたり犯罪に手を染めないよう疑似体験を行わせる教育プログラムのことを指します。交通教育分野ではスタントマンを使って様々な交通事故の様子を再現。衝撃の大きさや恐ろしさを経験させるだけでなく、正しい交通ルールを示し、交通安全の意識を高める目的で行われています。交通事故再現だけでなく、飲酒運転の疑似体験や非行少年に刑務所を訪問させさて、収監されたときのことを考えさせるプログラムもあります。このようなプログラムを実際に取り入れたある学校の副校長は「交通事故の再現は臨場感がある。口で言うより実際に見るほうがいい」と述べている。自転車の悪質マナーが叫ばれる昨今、このような疑似体験をおこなうことにより映像やCGではなく「生身の人間が再現すると、このままいけばどうなるかは想像しながら見ることができて空気の波動も感じられる」とのスタントマンの言葉に評されるように、県下での導入を一刻も早く要望した。

● 信号機の停止とCO2対策について

ある自動車のCMで「運転中の47%は停車」、というくだりがある。これが事実であるならば信号機での車の停車問題がCO2削減が叫ばれる昨今大事な問題であることを指摘。県警からは幹線道路での信号待ちを少なくする方法から取り組んでいる旨の答弁があり、幹線道路に出てくる車を感知したときのみの幹線の信号が赤になるような信号機が徐々に導入されているとの事。

● 悪質なチェーンメールについて

先日、悪質なチェーンメールを受け取って悩む親子の相談を受けた。

その内容は、「このメールを受けた人は72時間以内に7人以上にこのメールを転送しなければ組員が殺しに行く」との内容。早速、県警に調べさせてところ平成18年より出回っているチェーンメールのようであった。このことから、県警のサイバーテロ対策室の取り組みについて質問、同時に教育委員会との連携にも注意をと要望した。このメールを受けた親子は、お子さんが小学生であり夜も眠りにつけないほど怖がり、母親も外出を控えるといった問題にまで発展してしまった。県警の調べではこの手のチェーンメール(何人もの人を経てくる)の犯人の特定はなかなか難しいとのこと。

しかし、脅迫や暴言がはいっている特定メールについては犯人特定に成果をあげているとのことであった。

 現在の神奈川県警でのサイバー犯罪の実態は以下のとおりです。