神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

質問要旨

地方公共団体の業務は災害時においても中断、停滞は許されない。地方公共団体の業務の多くは情報システムに依存しているため、全庁的なBCPに先行してICT部門のBCPを策定する必要性が高いが、地方自治体は、地域が限定されるため、バックアップをとっていても、震災などでは、同時にシステムが中断してしまう。
こうした中にあって、想定される最大・最優先のリスクは、新型インフルエンザではないか。職員が出勤できなくなり、パンデミックへの対策も、その他の業務の継続も困難になる可能性がある。
新聞報道で、東京都では、首都圏直下型地震の初動対応に、職員が2,200人以上足りないとの報道がなされたが、検討を始めなければ、このような問題点すら明らかにならず、何らの対策を講じることもできない。

知事に質問します。

本県としても、BCPの策定を一刻も早く進めるべきであると考えるが、現在、本県において検討されているBCPの概要はどのようなものか、また、BCP策定のスケジュールをどのように考えているのか、所見を伺いたい。

松沢知事答弁

 「業務継続計画」、いわゆるBCPについてのお尋ねがございました。
民間企業では、被災時の重要業務の中断は、収益の低下はもとより、顧客の同業他社への流出、企業評価の低下などのダメージを被りかねないため、それらを予防するためにBCPが策定されております。
一方、県におきましては、災害発生時には、災害応急活動に最優先で取り組みますが、通常業務にも、中断により、県民の生命、身体、財産に重大な影響を及ぼすおそれのある業務があることから、そうした業務を選定し、その継続や速やかな再開を図ることを目的に、BCPを策定する必要がございます。
しかしながら、BCP策定に当たっては、情報システムの復旧やデータのバックアップ体制、また、業務を遂行する職員の確保など、様々な課題がございます。
そこで、本県におきましては、こうした課題の解決に努めるとともに、地震だけではなく、新型インフルエンザやテロなど、多様な危機事象に対応できるよう、神奈川県版のBCPを策定してまいります。
次に、BCPの策定スケジュールについてですが、これまで、本県では、平成18年11月から5回にわたり、関係室課による行政の業務継続に係る研究を進めてまいりました。
今後、BCPの策定に向けて、既存の危機管理対策会議を活用し、全庁的な共通認識を深めるとともに、関係部局により具体的な策定のプロセスを検討した上で、優先的に実施すべき業務の洗い出しや、必要となる人員などについて全庁的な調査を実施してまいります。
その後、この調査結果を集約し、危機管理対策会議などでの検討を経た上で、平成21年度内を目途に、県としての業務継続計画、BCPの策定に取り組んでまいりたいと考えております。

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