神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

平成21年度12月定例会で地球温暖化問題に具体的な制度を県に提言!
「県産材木材住宅などにおけるカーボンストック等の認証交付」が実現!!

2006年以来、神奈川県の松田町にある県の水源林「寄(やどりき)」での植栽、間伐そして枝打ちのボランティア作業に携わってきた。その中で現在、世界的な課題となっている地球温暖化問題の中心となるCO2削減について、さらには森林や木材の役割について考えさせられることが多々あった。間伐作業を終え、山から搬出できない木材が森に取り残されている現状を見るにつけ、このまま放置すれば、間伐材が微生物などにより分解される過程で、せっかく木材が長い年月をかけて貯留してきたCO2が空気中に放出されてしまい、地球温暖化の観点からも問題であると思い続けてきた。
従って、木材が貯留するCO2の量、カーボンストックについて、それを認証する制度を作れば現在、森林政策の中で間伐材の処置や県産材木材の利活用について、新たな仕組みができるのではないかと思った次第だ。
昨年の12月定例会代表質問で、この長年の思いを知事にぶつけた。それは「森林のCO2吸収効果に着目し、自治体と企業が協力して森林を整備する取組みが行われている。企業の協力により整備した森林が吸収するCO2吸収量を自治体が認証するもので、企業は「環境にやさしい」イメージだけでなく、具体的なCO2削減量も示すことができる。
さらに、木材が貯留するCO2の量、カーボンストックを認証する制度をつくれば、木材としての利用が促進され、伐採した跡地に植林し、大きく育て、さらに伐採して利用するという、森林循環の仕組みを促進する効果が期待される。森林循環の仕組みができれば、水源涵養機能など公益的機能の発揮が図られ、CO2の吸収量が増加するとともに、より多くのCO2を貯留することができる。県産木材のカーボンストックを認証する制度にすれば、県産木材の消費を促すこともできる。そこで、CO2の吸収源としての森林の整備を、企業の協力を得てどのように進めているのか伺いたい。
また、森林で吸収したCO2を都市で貯留していくことが、森林整備にもつながり、地球温暖化の防止にも役立つことを広く県民に理解してもらうためにも、木材のカーボンストックを認証する制度を導入すべきと考えるが、併せて所見を伺いたい」との質問を行った。
これに対して知事は「議員から、木材のカーボンストックを認証する制度の導入について、ご提案がありました。
現在、県内の木造住宅では、1棟あたり平均18立方メートルの木材が使用されておりますが、この木材を生産するためには、概ね1.7ヘクタール分の間伐が必要であり、間伐による森林の成長によって、CO2の吸収量が高まることになります。
このように、木材利用は、間伐を促進し、地球温暖化防止に直接貢献いたしますので、このことを県民に分かりやすくお示し、木材の利用を拡大することが重要であります。
しかし、住宅に使用する木材については、間伐した森林の位置や樹齢を特定できないことから、「森林再生パートナー制度」のように、間伐により高まったCO2吸収量の算定が、困難となっています。
そこで、木材の利用とCO2の関係に気づいていただく手法として、木材のカーボンストックを認定することは、有効と思われますので、今後、制度の具体的な内容について、検討をしてまいります」との答弁があった。

今回、この知事答弁を受けて環境農政部が「県産木材住宅などにおけるカーボンストック等の認証交付」の制度構築を、本年2月26日に記者発表した。このような県産材の活用とカーボンストックの両面からの地球温暖化問題に貢献する制度ができあがったことで、この5年間の森林ボランティア活動を総括できた思いでいっぱいだ。
今後とも、同志であるNPO(非営利活動法人)「グリーンスマイルつるみ」のメンバーと共に、県の財産である丹沢、大山の緑を護る活動に全力をあげると共に、地球温暖化問題の核であるCO2削減について、政治家として、これからも提言を続けていく決意だ。

平成22年3月11日

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