神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

「戦いすんで、日が過ぎて」衆議院選挙戦考(5)
支援者の声を聞き・動き・形にすることにつきる!!

いよいよ締めくくりとなった。ここで自身の決意及び今後について述べてみたい。
今回の選挙ほど「日本の将来を、国をどうするのか?」という視点から世論を沸騰させるような論戦を、各党に必要とされる選挙はなかったのではないだろうか。すなわち、このシリーズ(1)で書いた国家の有様の背骨であり、戦略である。少子高齢化社会、雇用、社会保障費の高騰、地球温暖化問題...。
政策をあげれば、きりがないほど社会を取り巻く問題は山積している。その一つ一つの問題を政治が解決しなければならない視点が、自民、民主そして我が公明党にしても各政党間で大きな違いは無いはずである。しかし、その一つ一つの政策は、すべて予算や政治システムの中で何らかの形でつながっている。だからこそ、国家の有様の背骨に向けての戦略が必要なのだ。巷間、「民主がダメなら自民にと、簡単に政権交代できるのが二大政党制だ」といった無責任なことを言う人がいる。冗談ではない。交代の度に政権の失敗のつけを回される国民はどうなるのか!
私はもう一度、何らかの形で「国民の政策論議を呼ぶ政治の復活」を公明党の同僚議員とともに考え、行動したいと決意している。

話は変わるが、シリーズ(1)で述べた、苫米地氏の「テレビを見てはいけない」の中にストックホルム症候群についての記述があった。

『1973年スェーデンのストックホルムで銀行強盗が起き、複数の人質を取って犯人グループが立てこもりました。一週間後に犯人たちは人質を解放しますが、その人質たちは解放後世間を驚かせます。彼らは自分を監禁した犯人をかばい、彼らを逮捕した警察に対して反感を表明したのです。さらにその後、人質の1人は何と犯人の1人と結婚までします。この事件では犯人と人質が懇意になっただけでなく、人質同士も非常に仲良くなったそうです。その原因は、心理学用語で「ラポール」と呼ばれる感情が生まれたことにあります。
ラポールとは『心の懸け橋」という意味で、人間関係において相互に信頼し合っている感情のことを指します。人質たちと犯人は、銀行強盗の現場という非日常の強い緊張感を伴う臨場感空間を共有したことで、そこにいた人同士の間に強い感情の同調が起こったのです。犯人と人質は、支配・被支配の関係性に長時間おかれていました。人間は自分のいる臨場感空間を支配している人に対して強いラポールを持つ傾向があり、それを私は「ハイパーラポール」と名付けていますが、人質が銀行強盗を好きになってしまったのもまさにハイパーラポールが生まれたことが原因なのです』
要は、この苫米地氏のいう「ハイパーラポール」をどう高くするのかが、今、政治家に求められているように思う。そして、その術は、ということに以下の文章を残しています。

『人間が臨場感を高く感じるための要素には大きく三つあります。

一つ目は「プレゼンス感」。プレゼンスとは日本語でいえば「存在」という意味です。いかに現実にそこに存在しているように感じるか。その度合いが強ければ強いほど臨場感は高まります。映像として見える範囲は広ければ広い方がいいし、解像度が高ければ高いほどがいい。今のところは目の前にある現実世界ほど高いプレゼンス感を生み出す映像機器はありませんが、先程お話ししたとおり、もし、脳に直接イメージを送り出すようマシンが発明されればその限りではなくなります。

二つ目は「知的整合性」です。仮想世界においても私たちが慣れ親しんでいる重力や慣性の法則といった基本的な力学法則や物理空間の整合性が保たれている必要があります。放り投げたリンゴは空中に静止しているような空間に臨場感を感じることはできません。現実世界で獲得した自分の記憶や知識ときちんと整合する物理空間がないといけないのです。

三つ目は「操作参加性」です。自分が働きかけることで対象となるものを動かしたり、影響を与えることができるかどうか。一方通行ではなく、双方向であるかが大切な要素となります。自分がしゃべった事に対して相手が反応して会話をしてくれると、臨場感は一気に高まります。』

これを私たち政治家が直すとこうなるのか...。
すなわち、徹底した人と人との交わりと、その人から頂く要望、批判、話に率直に耳を傾け、それを形にする。(実績であったり、要望を叶えること、問題を解決する)ことであると思う。言葉を変えれば、ハイパーラポールの究極は、政治の究極である有権者の要望に応えること!!
これに尽きる!!

今まで述べてきた、今回の政権与党の敗因もやはり民意を汲み取れなかったことが最大の要因ということは多くの人の一致した意見だ。
本日より他党、他人ではない、自身が公明党の議員として、より高く、より強い人間を目指して精進するとともに、私を応援してくださる支持者の皆様に会い、お話をお聞きし、それを形にするサイクルの運動に全力で取り組まなければならない、このシリーズを書き終えての決意でした。

(完)
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