神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

防災警察常任委員会県外調査


大阪危機管理室

8月28日、午前中に新横浜から新幹線で大阪に向かった。
午後から大阪府大阪市中央区大手町2にある大阪府危機管理室を訪問した。

大阪府では、国が示した南海トラフ巨大地震の被害想定および対策の最終報告を踏まえ、地震、津波による被害想定の検証、大阪府地域防災計画の修正、防災拠点の庁舎内への整備等、防災対策を進めている。
神奈川県においても、本年秋に国から発表予定の首都直下地震の被害想定を踏まえ、本県の被害想定の検証、地域防災計画の修正等の必要がある。
南海トラフ巨大地震発生時には甚大な被害が想定される同府の防災対策を調査することで、本県の防災対策に関わる委員会の審査の参考にするため、視察を行った。


性暴力救援センター・大阪(SACHICO)

翌29日は、朝に大阪を出て大阪府松原市南新町にある性暴力救援センター・大阪(SACHICO)を訪問した。
SACHICOはSexual Assault Crisis Healing Intervention Center Osakaの略称で、平成22年4月に開設された性犯罪被害者のためのワンストップ支援センターである。

医療機関や警察と連携し、性暴力被害者の心身の回復を図るため、産婦人科医による診察、検査、薬の処方や、被害者の同意があれば警察への通報をおこない、また警察が診察や支援が必要な被害者を同センターに連れてくることもあると言う。
一方本県では県、県警察、民間支援団体と県産婦人科医会が性犯罪被害者への支援における連携・協力に関する協定を締結し、性犯罪被害者への支援強化に取り組んでいる。しかし、協定に基づく協力施設も、施設によって対応が異なるため、必ずしもワンストップの支援体制ができていない。
社会の中で語られにくい問題に真正面から取り組むセンターの医師や職員の方々に尊敬の意を表した次第だ。
ここでも、センターの維持費に苦しむ状況とボランティアに頼る運営状況をお聞きし、政治家として何らかの行動を、と決意を新たにした。

午後からは大阪を出て京都に向かい、京都府京都市下京区中堂粟田町91にある京都府警察本部サイバー犯罪対策課を視察した。
京都府警はサイバー犯罪対策に対応するため、サイバー犯罪対策課を設置するとともに、関係部門による横断的組織として、京都府警察サイバー犯罪総合対策推進本部を設置するなど、全国の警察の中でも先進的な取り組みを行っている。

近年、サイバー犯罪は増加し、その手口も、より複雑巧妙化しているため、サイバー犯罪の取り締まりに一層の強化が求められている。

本県においても、本年4月にサイバー犯罪対策課を設置し、サイバー犯罪対策の強化に取り組んでいることから、先進的な取り組みを行っている同府警本部のサイバー犯罪対策を調査することができ、大変に勉強になった。


京都大学防災研究所を訪問

視察最終日の30日は京都大学防災研究所を訪問した。
京都大学防災研究所は、国内外の防災研究の中心的な存在であり、防災学の構築に関する総合的研究と教育に取り組んでいる。

防災に関わる多種多様な課題に対して、現実社会における問題解決を目指した実践的な研究を実施しているほか、付属施設として地震予知研究センターを設置するなど、地震発生とその予知に関する研究についても総合的に推進している。
また宇治川オープンラボラトリーでは、大雨による水害を実際に近い条件で再現し、研究している。

京都大学防災研究所地震予知研究センター准教授の片尾浩先生に、同センターが行っている地震予知の方法の分かりやすい説明いただき、感謝申し上げたい。

 ここで学んだことを、防災士として活用することを約して、大学を後にした。


京都大学防災研究所地震予知研究センター准教授の片尾浩先生と